4月26〜28日、国際古楽コンクール〈山梨〉アンサンブル部門へ出場いたしました。
こちらのコンクールは1987年より続く歴史と由緒のあるもので古楽のコンクールとしては国内唯一です。
ソロ部門(声楽・戦慄楽器)と鍵盤部門・アンサンブル部門が一年おき交代で開催されており、今年は鍵盤部門・アンサンブル部門の年でした。
私をご存知の方には言わずもがなですが、私はコンクールなんて一生受けないよという人間だったのですよね。争いごとが極端に苦手で、成長もマイペースなので、人と比べられる場ではメンタルが…メンタルが…だめだめで…。
それが何故なぜ如何してエントリーする運びとなったのか?
話は遡ること年末、「ミンネの部屋」忘年会にて。
我らがチェンバリスト山下実季奈ちゃん(ほろ酔い)が山梨古楽コンクールの話題になったさい
「ミンネの部屋でアンサンブル部門に出ようよ!」
と明るくお誘いくださり。。。
ご本人は後日記憶に残っていなかったようですが(笑)私やチェロ大田原氏はやる気を掻き立てられ、一気に話が進んだわけです。
そんなわけで決定したコンクール出場。
まだ結成から間もないながら信頼を寄せるメンバーとそれぞれの歪さを持ち寄りプログラムを作る日々は大変だけど楽しいものでした。
仲間と一緒だったからかもしれませんが自分でも信じられないほどワクワクとしていて…
ただ苦労したのは選曲。
ミンネの部屋の主たるメンバーは歌(ソプラノ)、ヴァイオリン、チェロ、チェンバロ。
この構成で私のような軽い声のソプラノに合う曲が意外にも見つからないのです。
演奏会ならば別構成を自分たちに都合の良いようにアレンジして…ということもできますが、コンクールとなるとそうもいきません。
選曲の壁は後からも書きますが…初手にして肝、というかすべてと言えたかもしれません。
そんなこんなで日々を過ごし迎えた予選当日。
たくさんのチェンバロが並ぶ中、ミンネの部屋は姿も音色も麗しい『金色咲チェンバロ』で演奏しました。

実は緊張で演奏中は金色咲を使用しているとは気が付かず、ただ音の粒がキラキラとしていてすごい!と思いながら歌っていました。あとから金色咲だったのかと知り感動。お披露目からまだ間もなく、いつかこのチェンバロと歌えたら…と思っていたことが、こんな形で叶うとは幸せでした。
結果は予選敗退。本選出場は5組中2組と厳しい戦いでした。
強豪が揃う中、普段ご一緒できないような方々とほんの束の間でも同じ土俵に立ち演奏できたことは、かけがえのない経験となりました。
まずは挑戦に至るまでに成長した自分を確かに認め、仲間に感謝し、この刺激と学びを今後に活かしていけたらと思います。
予選翌日、審査員の先生に講評を求めに行くと、
「チームとしてもっと挑戦して良かった」
「楽器に適した曲を選ぶことと同義に歌手の声に合う曲を選ぶことも肝要」
という旨のお言葉をいただきました。
思っていたより手応えのある有難い講評で、だからこそ“今の自分達にできた”戦えるプログラム作りが如何に甘かったか痛感します。
メンバーから自然と「次回はこうしようよ」と提案があがり、次回も一緒に挑戦してくれんだとジーンとなると同時に、自分自身の歌の幅をもっと拡げようとそっと心に誓いました。
自分の中で一皮も二皮も剥けた今回の挑戦!とにかく仲間に感謝です。

予選直後にメンバーと撮った写真。
チェンバロ山下実季奈ちゃんは別チームでも出場しており不在です。。
また皆んなで挑戦できますように!
明日からの日々もコツコツ頑張ります。